現地取材
【インタビュー】自治会と連携した、社会福祉法人誠友会の災害対策
社会福祉法人誠友会は、千葉県に老人介護施設を複数展開しており、佐倉市に構える佐倉白翠園と松ヶ丘白翠園のアリーナに、LPガス災害バルクを導入しています。
施設の利用者だけではなく、地域の一時避難所として災害時に適切に利用されるように、自治会と深い関係を築き、施設を軸とした地域コミュニティーを実現しています。
話を伺う中で、
災害時の活用イメージが膨らむように。
社会福祉法人誠友会 理事長の竹内淳様にお話を伺いました。
ー導入した背景について
竹内さん
この関連事業に取り組むきっかけは、当法人施設である松ヶ丘白翠園です。松ヶ丘白翠園は自治会との付き合いが非常に深く、当法人と自治会との共同事業として、福祉避難所の役割を担っています。
そんな中、自治会長さんが、松ヶ丘白翠園の避難訓練でいろんなことができないか、と話をされたことが始まりでした。利用者さんや我々が、一丸となってどのように災害に対処するのがベストか。そんな話し合いがあり、その後補助金の話も耳にしました。
導入設備についても検討しました。プロパンガスによって、非常時でも電気が使える発電設備。LPガス災害バルクとGHPで発電しつつ、空調機も併せて設置できるという話も伺いました。最近は冬は非常に寒く、夏は猛暑が続いたりするので、空調機の設置にも興味を持って取り組みました。
これが松ヶ丘白翠園の災害対策の始まりです。
その次に、本部がある佐倉白翠園の災害対策にも取り組みました。こちらの施設は高齢者福祉事業がメイン。
佐倉白翠園は、佐倉市と福祉避難所協定を結んでいます。いざというとき、避難される皆さんが施設でどれだけ待機できるか。これも松ヶ丘白翠園を参考にして、導入設備を決めました。特に、発電に加えてお湯を沸かすことができたら、どれだけすばらしいだろうか。そんなことを相談したらコジェネレーションシステムをご紹介いただきました。
発電、空調、お湯。それが揃うと、災害時に皆さんがお風呂に入りたいとか、そういった声にもお応えできます。補助を活用して事業を営んでいこう、そういったことが導入の背景、流れでした。
実際の災害訓練で
地域の皆さんと炊き出しを行いました。
ー導入後に感じたメリットについて
竹内さん
1分以内に電気が復旧、
LPガス災害バルクのスペックの高さを体験しました。
ー災害の実体験などあれば教えてください
竹内さん
もう一つは松ヶ丘白翠園での出来事です。高崎川という佐倉市で大きな川がありますが、この川が令和元年の大雨で氾濫してしまいました。
その際、デイサービスの方が家に帰れなくなり、帰宅難民になってしまいました。また増水による影響で家に入れなくなってしまった方もいらっしゃいました。そういった方々が、アリーナ避難所でひと晩暮らせないかということで、実際にLPガス災害バルクを稼働させました。この時も停電していたのですが、LPガス災害バルクの発電機があったので、問題なく生活することができました。それは、実体験として印象に残っていますね。
松ヶ丘白翠園協力のもと、
LPガス災害バルクで炊き出し訓練を実施することに。
一時避難所としての機能を発揮する上で、日頃から地域との関係性を重要視してきた誠友会。
地域にどのような影響を与えているのでしょうか。
松ヶ丘アリーナがある松ヶ丘団地自治会 相談役の萩原勝世様にお話をお聞きしました。
ー地域でどのように施設を利用されていますか
萩原さん
毎月1回役員会議を開く際、松ヶ丘白翠園の2階を使わせてもらっています。
また、ある時は応急訓練や、消防署を呼んで外で消防訓練をしています。
ー実際に避難された時の状況を教えてください。
萩原さん
台風が来た時に、大風と雨がひどかったので12人程避難させました。
実際にプロパンガスの台所を使って、非常食を水で炊いて食べました。
ー使用訓練の実施について
萩原さん
毎年、防災訓練という形で炊き出し訓練をしています。
今回、LPガス災害バルクが導入されたということで、初めて見せてもらいました。素晴らしい設備や機器が入ったなということで、実際に使用説明を聞く機会がありました。
これはどうやって使えばいいんだろうと思っていたところ、外でできると聞いて、それなら実際使ってみようということになりました。次回の防災炊き出し訓練で、使用することが決まり、今私がいろいろと計画しているところです。この防災炊き出し訓練も、白翠園さんが協力してくださっています。そういったことをいろいろ面倒見てくれるので、我々自治会も非常に助かっています。