事務所・商業施設
HOTEL KUTEKUN<北海道中標津町>
北海道中標津にある株式会社高橋工業が運営する「HOTEL KUTEKUN」は、知床や摩周湖など自然豊かな観光名所にも近く、観光客などが利用する宿泊施設です。
また、災害時には介護が必要な高齢者や障がいのある方々を受け入れる一時避難所としての役割も担っています。
施設建設にあたっては、地域の災害経験を踏まえ、安心・安全な宿泊環境を目指してLPガス災害バルクやシリンダーを導入しました。
既存のLPガス設備と連携させることで、災害時においても施設利用者の避難環境をしっかりと守っています。

災害を想定したホテルだからこそ
LPガス災害バルクを導入。
HOTEL KUTEKUN(ホテル クテクン)は、2022年10月にオープン。
もともとこの場所には弊社の施設がありましたが、老朽化が進み、遊休資産になっていました。ちょうどその頃、コロナ禍において「事業再構築補助金」という制度があり、新しい事業にチャレンジしようと考えたことがきっかけで、施設を建設しました。
2018年当時には胆振東部地震があり、また30年ほど前には道東沖でも大きな地震がありました。こうした経験を踏まえ、地域の防災や安心・安全な施設という位置付けでLPガス災害バルクの導入を決定。補助金を申請し、採択を受けて設置に至りました。
災害はいつ起こるのか誰にも分かりません。実際、噂レベルではありますが、ここ数年の間に道東沖で再び大地震が起きるのではないかという話も耳にしています。地域に必要なインフラとして、宿泊施設の役割をきちんと担うこと。それが求められている施設であると強く感じています。

防災弱者の方々に、
寄り添える施設でありたい。
高齢の方や小さなお子さん、障がいのある方などが災害時に自治体の避難所で過ごすこと。それが容易にできれば理想的ですが、実際には難しい部分も多いのではないかと感じています。
例えば、心臓病で常に横になっていなければならない方や、温度・室温が命にかかわる方が災害時にどう過ごせばよいのか。トリアージ(優先度の決定)は私たちにはできませんが、自治体から「避難所での生活が難しい方を優先して受け入れてほしい」といった要請があれば、施設としての価値は一層高まるのではないかと思います。
北海道では、暑さはある程度我慢できますが、冬に暖を取れないというのは非常に厳しい環境です。
当施設は全ての部屋にLPガスのストーブを備え付けており、そうした点でLPガスの強みを発揮できるのではないかと考えています。オープン当初から、こうした状況も想定していました。
大規模な災害が発生した場合、当然ながら予約はキャンセルされます。その際、空いている部屋については自治体の要請に応じて提供してまいります。自治体との協議のうえ、この施設を利用いただくことが地元の方々の安心・安全につながるのであれば、私たちとしても非常に嬉しく思います。
実は1年ほど前から申請の検討を始めていましたが、自治体との打ち合わせや準備に1年近くを要しました。イニシャルコストを抑えることは施設運営にとって非常に重要です。ランニングコストをどのように回収していくかを考えると、補助金制度は非常にありがたい施策だと感じています。
いざという時に安心して過ごせる場所づくりは、当社の使命。

LPガス災害バルクは、実際には災害が起きてから使用する流れになると思いますが、本当は使わないことが一番です。
しかし、いざという時に当施設があることで、防災弱者の方々が安心して過ごせる、きちんとした寝床が確保できる。
そのような状況をつくることが、企業としての使命だと感じています。
施設を運営する者として、また地域に暮らす一員として、地域に貢献できる施設であり続けられることを嬉しく思います。
