設置者インタビュー

福祉施設

福来老・米沢<富山県立山町>

能登半島地震では
自動的に電気が復旧し一安心。

interviewee

有限会社福来老
施設長

石田 孝夫 さま

富山県立山町にある福来老・米沢は、認知症の方々が利用するグループホーム。小規模多機能と呼ばれる様々な幅の広い福祉サービスを提供する施設です。
災害発生時における地域特性や、施設利用者の安全な暮らしを守るためLPガス災害バルクを導入しました。

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高齢者にとって、
発電設備の有無は命に関わる。

3000メートル級の山々が扇形に並ぶ立山連峰はとても美しい景観です。しかし、この地形は昔隆起してできたもの。そのため、中部山岳地帯は火山活動が活発で、いつ地震が起きてもおかしくない場所だと言えます。

 

2018年に北海道胆振東部で発生したブラックアウト(大規模停電)の事例を見て、長期間の停電はこのような施設を利用している高齢者にとって、厳しい状況になると感じました。というのも、まず真夏の暑さに耐えるということが不可能です。それを考えると、24時間稼働する空調が必要不可欠。しかし、災害時には自治体が指定する避難場所へ避難することが決められています。

いざ、皆さんが避難場所に集まって生活するとなった時、この暑さでは無理があると思います。高齢者はもちろん、職員もその環境下で仕事をするのは厳しいのではないでしょうか。そのため、各施設に発電設備を設置するべきだと考えています。

地震発生直後、すぐに電気が復旧。
安心につながりました。

実際に設置をするとなると、やはり経費がかかります。どうやってコストを抑えようか思案していたところ、補助金制度利用の提案を受けました。詳しく聞くと、国の補助金で大きな額を賄えるということがわかり、私たちでも導入可能だと判断。全館の空調を付け直して、発電機も設置しました。

こうして、2023年の12月に工事が完了しました。その翌月、2024年1月1日に能登半島地震が発生。設置してすぐに地震が起こるとは夢にも思いませんでした。

能登半島地震の被害で、ほぼ全域がブラックアウト。そんな中、当施設だけは電気がついていました。加えて、空調や暖房も問題なく使用できました。LPガス災害バルクにとても感謝しています。

 

今回はLPガス災害バルクを導入したばかりだったので、実際にどのようにシステムが作動するかわかりませんでした。しかし、地震の直後、特に何もしなくても自動的に電気が復旧。一瞬暗くなりましたが、すぐに電源が入りました。一方、施設周辺の建物は一切電気がついていなかったというのが現状です。

災害時は避難所として対応できるよう防災訓練を徹底しています。

避難所が利用可能であることを周知するために、道路沿いの掲示板に「災害時避難所」だとわかるように掲示しています。
空調や非常用電源をはじめとした設備が整っているため、体調に不安がある方は避難していただいて構わないと伝えています。
また、年に2回、消防署と自治体、地域の皆さま、そして私たち職員が参加する防災訓練を実施。
火災だけでなく水害にも対応できるよう、職員には訓練を周知しています。