運用レポート

現地取材

【長野県上松町役場】LPガス災害バルク備蓄残量の管理方法をご紹介

年々高まる災害時におけるエネルギー確保と施設維持の観点から、国からの補助金を受けてLPガス災害バルクを導入する施設が、飛躍的に増加しています。補助金を受給してLPガス災害バルクを設置した事業者は、災害時に適切に運用できるようにしなければなりません。そのためには、常にLPガスの上限貯槽量の50%以上を備蓄する事が求められています。また、LPガス供給事業者に任せるだけでなく、設置事業者自ら、日頃からLPガスの備蓄残量の管理を行うことが必要です。

長野県上松町役場では、災害時の設備運用だけではなく、災害時に迅速な対応ができるよう、LPガス災害バルクの燃料備蓄に対する管理・運営体制を整えています。上松町総務課 上小路様にお話を伺いました。

日頃から災害に備えて、
LPガスの備蓄残量を徹底管理しています。

ーLPガス災害バルク導入の経緯と災害時の活用について

上小路さん

新庁舎を建設するにあたり、その目的の一つとして防災・災害拠点の機能を果たすことが掲げられています。そのため、空き部屋を利用して、住民の方150名程度が一時避難所として利用できるよう想定しています。

また、避難してきた方々の食事を提供するために、炊き出し用のガス栓を外に設置しています。ガス栓は、ガスコンロを設置すればすぐに煮炊きする事ができますし、給湯器を繋げればすぐにお湯を沸かす事ができます。
ガス栓以外にも、発電機を建物の中に3基設置しています。発電機は、残量50%で72時間の電気を確保できるようになっています。照明や空調など、生活に必要な最低限の電気を確保できるので、しばらくの間は避難所として、安心して建物を使うことができるようになっています。

供給事業者も備蓄残量を管理。

続けて、LPガスの備蓄残量の管理と供給体制について、上松町役場のLPガス供給事業者である岡谷酸素株式会社倉本様にもお話をお伺いました。

ーLPガス災害バルクの備蓄残量の管理について

倉本さん

供給業者としてガスメーターに通信装置を接続していますので、緊急時の遮断等のメーター異常については遠隔監視できています。メーターの検診値も、1日1回データを取得しています。このように日々のガス消費量を把握管理しているので、バルク貯槽のガスの残量は現在何%なのか、すぐに分かるようになっています。

GHP(ガスヒートポンプ)をご使用されているため、毎日の消費量には季節変動があります。その点も踏まえて十分対応できる体制に。当社は木曽郡のエリアを担当しており、私共が管理しているバルク貯槽は80基ほどあります。これから冬になり需要期に入ると、(配送)周期が増えますが、現状週2日の配送周期で全バルク貯槽に供給ができています。上松町役場に関しても、その周期の中で配車を組んで当社の民生用の小型バルクローリーでも十分充填管理できているような状態です。

補助金を受給しLPガス災害バルクを設置した事業者様には、LPガスの備蓄残量を常に記録・管理する事が求められます。LPガス供給事業者の配送システムを十分に把握・理解する事はもちろんの事、日頃から残量メータ―の確認と記録・管理、もしくはLPガス供給事業者から届く配送伝票の確認・保管を行う必要があり、この事が災害時における避難所運営の備えとなります。設置事業者様はもちろんのこと、これから設置を検討される事業者様も、ガスの備蓄残量の管理の徹底をお願いいたします。